親の四つのタイプ-4
2007年11月17日
「ああなったら、こうなったらどうしよう」の不安増大タイプ
このタイプの保護者の方は、「ああなったら、こうなったらどうしよう」と過剰に不安になって親子ともに落ち込んでしまうタイプです。
もし、お子さんが高校受験で、自分の学力より上の高校を受験したいと言って、学校の先生から「合格率が半分以下」と伝えられたとしたら、また、浪人中のお子さんが受験した大学から次々と不合格の通知が届いたら、「どうしよう。何でこんなことに・・・これからどうなるのだろう」と不安がつのり、何をしていても手につかない重い気持ちになるのではないでしょうか。
「こんなことにならないように、前からあの子には早めに勉強しなさいと何度も言っていたのに、どうしてやっておかなかったのだろう」と気がつけば、愚痴の言葉が口をついて出てくるかもしれません。もちろんこの思いはそのままお子さんに伝わり、ますます親子で落ち込んだり時には喧嘩になったりします。
そのような時こそ、大切なことはお子さんを信じることです。たとえ現実がどんなに厳しくてもお父さんやお母さんが、その現実をあるがままに受けとめてください。
私も長年、受験という試練に同伴していると必ず生徒さんから「先生、私、どうしてもこの学校に行きたい」と実力のワンランク上の志望校を間際になって言われます。
受験1カ月前では合格可能性は、五分五分か、それ以下が多いです。
正直「これはかなり難しいな。よほど頑張ってもらわないと。できたらもう一度考え直してくれないかな」とさまざまな思いが心をめぐります。
特に「もし、良い結果が出なかったら私の面目丸つぶれ」という自分を守る思いが心の奥にあることに気づきます。
以前、受験生のお母さんから「もし、この子が合格しなかったら私の立場がないと思っていました。子どものことを心配しているつもりで、本当は自分が恥をかきたくなかったのですね」と言われたことがありました。
お母さんが、そのことに気づかれてからお子さんとの関わりが変わりその結果、お子さんは見事志望校に合格しました。
生徒が志望校を決める際、いろいろ迷いがある時は、その思いをとことん聞くようにしています。そして、現実的に厳しいことも率直に話します。その後、必ず本人の気持ちが定まるまで待ってから最後まで一緒に勉強につきあいます。その期間、生徒から「もう、やっぱり無理。合格するとは思われない」と弱気な発言を何度も聞きます。そのときに私が彼らに言う言葉は「やるだけやってみよう。越えられないハードルはこないから」です。そう言われると相手はなぜか不思議と納得し心が落ちつくようです。
これから、受験も本番で受験生はストレスがたまる時期に突入です。
どうぞ、保護者の皆さん、お子さんに対して、「どうしよう。やっぱり無理かなあ」とのため息から「今は大変だけれど、きっとこの子の成長には必要な試練」という思いで、信じ見守ってあげてください。そして「このごろたくましくなったね」と明るく励ましのエールを送ってあげてください。
どのような結果が出ようと、お子さんが全力を尽くし、挑戦する人生を応援してあげていただきたいと思うのです。
このタイプの保護者の方は、「ああなったら、こうなったらどうしよう」と過剰に不安になって親子ともに落ち込んでしまうタイプです。
もし、お子さんが高校受験で、自分の学力より上の高校を受験したいと言って、学校の先生から「合格率が半分以下」と伝えられたとしたら、また、浪人中のお子さんが受験した大学から次々と不合格の通知が届いたら、「どうしよう。何でこんなことに・・・これからどうなるのだろう」と不安がつのり、何をしていても手につかない重い気持ちになるのではないでしょうか。
「こんなことにならないように、前からあの子には早めに勉強しなさいと何度も言っていたのに、どうしてやっておかなかったのだろう」と気がつけば、愚痴の言葉が口をついて出てくるかもしれません。もちろんこの思いはそのままお子さんに伝わり、ますます親子で落ち込んだり時には喧嘩になったりします。
そのような時こそ、大切なことはお子さんを信じることです。たとえ現実がどんなに厳しくてもお父さんやお母さんが、その現実をあるがままに受けとめてください。
私も長年、受験という試練に同伴していると必ず生徒さんから「先生、私、どうしてもこの学校に行きたい」と実力のワンランク上の志望校を間際になって言われます。
受験1カ月前では合格可能性は、五分五分か、それ以下が多いです。
正直「これはかなり難しいな。よほど頑張ってもらわないと。できたらもう一度考え直してくれないかな」とさまざまな思いが心をめぐります。
特に「もし、良い結果が出なかったら私の面目丸つぶれ」という自分を守る思いが心の奥にあることに気づきます。
以前、受験生のお母さんから「もし、この子が合格しなかったら私の立場がないと思っていました。子どものことを心配しているつもりで、本当は自分が恥をかきたくなかったのですね」と言われたことがありました。
お母さんが、そのことに気づかれてからお子さんとの関わりが変わりその結果、お子さんは見事志望校に合格しました。
生徒が志望校を決める際、いろいろ迷いがある時は、その思いをとことん聞くようにしています。そして、現実的に厳しいことも率直に話します。その後、必ず本人の気持ちが定まるまで待ってから最後まで一緒に勉強につきあいます。その期間、生徒から「もう、やっぱり無理。合格するとは思われない」と弱気な発言を何度も聞きます。そのときに私が彼らに言う言葉は「やるだけやってみよう。越えられないハードルはこないから」です。そう言われると相手はなぜか不思議と納得し心が落ちつくようです。
これから、受験も本番で受験生はストレスがたまる時期に突入です。
どうぞ、保護者の皆さん、お子さんに対して、「どうしよう。やっぱり無理かなあ」とのため息から「今は大変だけれど、きっとこの子の成長には必要な試練」という思いで、信じ見守ってあげてください。そして「このごろたくましくなったね」と明るく励ましのエールを送ってあげてください。
どのような結果が出ようと、お子さんが全力を尽くし、挑戦する人生を応援してあげていただきたいと思うのです。
親の四つのタイプ-3
2007年11月08日
「最後は子どもが決めること」のマイペースタイプ
このタイプの保護者のお子さんは、おそらく友達から「○○ちゃんとこのお母さんはいいよな。優しいし、テストの点を見ても、うちのお母さんのように怒れへんし。うらやましいわ」と言われることが多いと思います。
「何やかんや言っても、勉強するかしないかは本人次第。あんまりしつこく言っても効果ないし、反抗されて逆効果になるぐらいなら・・」とお母さんご自身は無意識につぶやいておられないでしょうか。
確かに頭ごなしに理由を聞かないで叱るのは考えものです。でも、子どもさん自身は、本当はもっと率直に関わってほしいと感じる場合もあります。中3のC子さんがテスト前に友達と遊んでいて、それに腹を立てたお母さんが学校の先生にそのことを注意してもらいたくて電話をなさったことがありました。C子さんはそのときはお母さんに対して「何で、余計なことをするの!」と不満をつのらせていました。でも、一緒に遊んでいた友達のB子さんに「それだけC子ちゃんのことをお母さんは思っているんや。うちのお母さんは何も言わないわ。おこられんようになったら終わりやよ」と言われたそうです。
出来事やお母さんの対応は違うとしても大切なことは、子どもさんが悩んだり、迷っているときに「一緒に考えよう、お母さんやお父さんが学生のときはこうだった」とアドバイスをすることで子どもさんは、自分の心の中でもやもやしていることが整理できたり、自分の本心に気づくことも多くあります。
「あなたが自分で決めたらいい」は最後の言葉としても、「今、この子のためにできることは何か」とお子さんの気持ちになって考えることで子どもさんとの絆も深まります。何よりも、子どもたちにとって身近な人生のモデルはお父さんやお母さんです。親であると同時に一人の先行く先輩として、お子さんが思いっきりぶつかれる存在になっていくのも必要な時があると思います。(続く)
親の4つのタイプ-2
2007年11月03日
「こうあるべき」の理路整然タイプ
このタイプの保護者の方は子どもさんに対して、どちらかというと正論で関わります。テストの点数を見ても、間違った箇所のほうが目につくのでどうしても「これはこうでしょ。前も間違っていたでしょ。『ちゃんとやり直しをしなさい』といつも言っていたでしょ」と話すので、子どもさんは、「その通りなのだけどこれ以上言ってもわかってくれない」という思いになりがちです。
よく「これはお父さんの耳に入れると理由を聞かないで怒るから、内緒にしておこう」と話がまとまり、お父さんが帰ってくると今までわいわい盛り上がっていたのが、すーっとみんなが自分の部屋に戻っていくといった感じです。
お母さん、お父さんは「なぜ、正しいことを言っているのに、わからないのだろう」とつぶやき、「それなら、もう勝手にしなさい」と子どもさんに言い放ったことはないでしょうか。そう言われたほうは黙ってとりあえず謝るかあるいは「じゃあ、もういい」と逆に切れるかです。
どちらにしても、やる気の芽は育ちません。確かに、足りないところを指摘することも大切ですが、まず前と比べて、子どもさんが少しでも頑張ったところを認めるようにしてみたらどうでしょうか。
塾に夏休み前に入った中1のB子さんは、学校の進度がとても速くて、いつも宿題に追われていました。課題をすることで精一杯で、自分で理解して勉強するという余裕がありませんでした。だから、わからないだらけで、いらいらもつのります。こちらが説明しても「そんなん、わからへん。なんで!」の繰り返しでした。そんな態度に対して「それはわからないあなたが問題」と最初は私も思いました。でも彼女の立場になって考えてみると納得できないままに次に進むことほどおもしろくないことはないだろうなあと思うようになりました。
それで、何よりも本人が少しでもわかるすっきり感を味わってもらうために同じ問題を何回もしてもらうようにしました。そのうちにだんだんB子さんは自分で問題が解けるようになり、学校の授業もよくわかり、中間テストでも塾で取り組んだ文章題は解けるようになっていました。
「初めの頃に比べるとだいぶ変わったね」と声をかけると「えっ。そうかなあ」との返事です。できるようになると誰でも以前の自分のことは覚えていないものです。でも大切なことは自分がどれだけ変わったかをしっかり知ることも自分が成長したことの糧となり、ならば次はここまで頑張ろうとの意欲につながります。
「わからないのはあなたの努力が足りないから」から「ここまでわかるようになったのはあなたの成長」と認め、ほめてあげることもほめるのが苦手なこのタイプの方には必要かもしれません。子どもさんは何といってもお父さん、お母さんに認められることが頑張るエネルギーの源となるものです。(続く)